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 我らが母校函商は、明治十九年本道最初の公立中等学校として誕生し、爾来本年で百二十周年の記念すべき年を迎えました。
ひと言に百二十年と申しましても、その歩みは決して平坦な道ばかりではなかったと思います。誕生の地は巴港を眼下に望む元
町で商都屈指の教育機関として三十六年間を過ごし、大正十一年には施設の拡充を企図し、巴港の東北二キロ、五稜郭の地に移
転しました。五稜郭街道の松林の向こうに輝くマストカラーの新校舎が昭和四十五年春まで約半世紀の間、全国各界に雄飛した
先達たちの揺籃になったのです。昭和十四年には旧制十五回生・濱根岸太郎氏の寄付により記念プールが竣工。それまで五稜郭
公園のお濠を仕切って練習していた水泳部が水を得た魚とばかりに勇躍全国へその名をあげるなどの快挙も校史に残っています。
 その後、あのいたましい戦争の下での苦難の時代が到来、函商からも幾多の有為な人材が戦場に赴き、御霊を国家に捧げられ
た方も数多くおられました。その苦難を礎に戦後の学制改革で男女共学の新制高校として再発足し、校地も時代の流れの中で亀
田高校との統合により現在の昭和の地へ移転で平成十二年には最新の設備を備えた新校含が完成、今日に至っております。
 学校・PTA・同窓会三者により函商創立百二十周年記念協賛会を立ち上げ準備して参りましたが、お陰をもちまして事業資
金の目標額を達成し、感謝と喜びの気持で一杯です。事業としては五稜ヶ丘校舎跡のモニュメントの修復工事、現校舎正門の記
念碑建立、記念式典・祝賀会の開催、そして記念同窓会名簿の作成等々、ここに名実ともに百二十周年にふさわしい母校函商の
基礎が再構築され、百三十年に向かって飛躍すべき時代を迎えていくことと思います。
 今ここに記念写真集「ももふそとせ」発刊にあたり、卒業生としてこれまでの色々の思い出の一コマ一コマを、それぞれのペ
ージを繰りながら回想されることと思います。また、発刊に際し、担当された福井先生をはじめ先生方の並々ならぬご努力には
衷心より敬意を表する次第であります。
 最後に母校函商の益々のご発展をお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。